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アジア諸国のSTEAM教育⑦マレーシアにおけるSTEAM教育の現状

「英会話とプログラミングが同時に学べる!」新潟市西区の英語×プログラミング教室ワンダーコード新潟新通校のオーナー森憲一郎です。

本日のブログテーマは、『アジア諸国のSTEAM教育⑦マレーシアにおけるSTEAM教育の現状』です!


グローバル競争が激化する現代において、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Arts(芸術)、Mathematics(数学)を統合した「STEAM教育」は、世界各国で未来のイノベーターを育成するための重要な鍵とされています。ASEAN地域の中でも経済発展が著しいマレーシアも例外ではありません。

本記事では、マレーシアが国家戦略として推進するSTEAM教育について、その現状と特徴、そして今後の展望を詳しくご紹介します。

1. 国家戦略としてのSTEAM教育
マレーシア政府は、国の経済発展を支える高度なスキルを持つ人材を育成するため、教育改革の中核にSTEAMを据えています。

① 教育青写真(MEB 2013-2025)に基づく推進
2013年に策定された「マレーシア教育青写真(Malaysia Education Blueprint 2013-2025)」は、教育システムの質を高めるためのロードマップであり、この中でSTEAM分野への注力が明確に示されました。

  • 目標: マレーシアの高校卒業生に占める科学系・技術系(Science Stream/Technical Stream)の生徒の割合を、**60%**に引き上げることを目指しています(通称「60:40 Policy」)。
  • 初期の焦点: 科学系と人文系の比率(60:40)を達成するために、特に若年層からの理数科教育への関心を高めることが重視されています。

② カリキュラムの統合的な改定
幼稚園から高校までの国家カリキュラムが改定され、教科書や教育アプローチが、STEAMの理念に基づいてより実践的かつ統合的な学習へと移行しています。特に、単なる知識の暗記ではなく、問題解決能力、批判的思考力、創造性を育むことに重点が置かれています。

2. 具体的な取り組みとプログラム
マレーシアの学校や教育機関では、STEAMの理念を具現化するための多様なプログラムが展開されています。

取り組み内容と特徴
コーディングとロボティクス初等教育段階からプログラミングの基礎を導入する動きが活発です。学校外でも多くの私立トレーニングセンターがロボット工学やコーディングのワークショップを提供しています。
TVET(技術・職業教育訓練)との連携技術や工学の分野は、実社会で直ちに役立つスキルとしてTVETプログラムと密接に連携しており、実践的な学びを通じて将来の技術者や職人を育成しています。
科学センターとコンテスト各州に設置されている科学センターや博物館が、体験型学習を提供しています。また、全国規模の科学コンテストやイノベーション展示会が開催され、生徒たちの探求心を刺激しています。
デジタルリテラシーの強化デジタル技術を効果的に活用できる能力(デジタルリテラシー)は、STEAMの重要な基盤と見なされ、学校のICT設備強化が進められています。

3. STEAM教育が直面する課題

推進に力を入れている一方で、マレーシアのSTEAM教育はいくつかの課題に直面しています。

① 教師のトレーニングと意欲
STEAM教育は従来の詰め込み型教育とは異なるため、教師が新しい統合的な指導法を習得し、実践できるかどうかが鍵となります。専門分野を超えた知識(特に「Arts(芸術)」の要素を他の分野と融合させる方法)を教えるための継続的な研修とサポートが必要です。

② 地域間の格差
都市部の学校では設備が充実し、優秀な教師が集まりやすい一方、地方やサバ・サラワク州などの遠隔地では、実験機器の不足インターネット接続の不安定さなど、インフラ面での課題が残っています。これにより、提供されるSTEAM教育の質に大きな差が生じています。

③ 学生の理系離れ
「60:40 Policy」の目標達成に向けて努力は続けられていますが、依然として学生が科学・技術分野のキャリアパスを選ぶことに躊躇する傾向が見られます。理系科目の難しさ、教師の不足、そして親世代のキャリア観などが影響しているとされています。

4. 未来に向けた展望
マレーシアは、これらの課題を克服し、持続可能な発展のための知識経済への移行を目指しています。

  • 産学官連携の強化: 企業と教育機関の連携を深め、実社会の課題を解決するプロジェクトを学校教育に取り入れることで、学習の意義と実践性を高めることが期待されています。
  • Arts(芸術)の役割の明確化: 今後は、STEAMにおける「A」の要素、すなわち創造性、デザイン思考、コミュニケーション能力を、他の分野と融合させる方法がより明確に定義され、実践されていくことが重要になります。

マレーシアのSTEAM教育は、変革の途上にあります。政府の強力な推進力とEdTechの進化が相まって、今後数年で教育環境が大きく改善し、多様な才能を持つ未来のイノベーターが育つことが期待されます。

日本のSTEAM教育は、アジアで最も遅れを取っていると言われています。
国際競争力の低下を招かないためにも、幼少期からのSTEAM教育が重要になります。

お子様がSTEAM教育の一つであるプログラミングを学ぶことは、単に技術を習得するだけでなく、論理的思考力(ロジカルシンキング)、問題解決能力、コミュニケーション力、創造性を育み、将来の多様な選択肢を手に入れることに繋がります
いわゆる”未来スキル”を効率的に手に入れることができる習い事です。中学受験、高校受験、大学受験も優位に進められます!

ぜひこの機会に、お子様と一緒にプログラミングの世界に触れてみてはいかがでしょうか。未来を担う子供たちが、自信を持って社会で活躍できるよう、私たち親もサポートしていきましょう。

当校「ワンダーコード新潟新通校」では、プログラミングや英語を通じて、子どもの 自主性と創造力 を育む学びを提供しています

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